映画『ブライトバーン 恐怖の拡散者』ネタバレ感想 もしスーパ―マンが悪人だったら

 

どーも、スルメ(@movie_surume)です。

 

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガンがプロデュースすると聞いて、かなり楽しみにしていた作品です!

最近ヒーロー映画が爆発的ブームになっており、そんな業界に対するアンチテーゼにもなっているんじゃないかと。

スーパーパワー持っているからと言って、何もヒーローばかりじゃないぜと。要はAmazonオリジナルドラマの『ザ・ボーイズ』と同じような感じですかね。

まぁ、人間を超える力を悪用する人はこれまでにも登場してきましたがね。アメコミヴィランは大体がそうですし。

しかし、本作はヴィランの誕生を描くと同時にホラー映画として仕立て上げるという画期的な手法を取っています。

こうしてヒーロー映画としてのジャンルが広がっていくんですね。

 

※この記事は後半にネタバレを含みます!

ブライトバーン 恐怖の拡散者

あらすじ

母親になる夢を抱いているものの、なかなか子どもができずに悩んでいたトーリのもとに、ある時、謎めいた赤ちゃんがやってくる。赤ちゃんはブランドンと名づけられ、聡明で才能にあふれ、好奇心旺盛な子どもへと成長。トーリと夫カイルにとっても、かけがえのない存在になっていく。しかし、12歳になったブランドンは、普通の人にはない異常な力を発揮し始め、やがて米カンザス州ブライトバーンの町をかつてない恐怖に陥れていく。

映画.com

 

評価

僭越ながら『ブライトバーン 恐怖の拡散者』の満足度を★10段階で表すと・・・・・・

 

★5

 

もし、スーパーマンが悪人だったら

ヒーローに対するアンチテーゼとしては非常に良く出来た映画でした。

まさにアメコミ映画好きにこそ観てもらいたい!スーパーパワーは正しいことに使われるとは限りません。史上最悪の兵器よりも大きなパワーを手にしてしまった場合、善行に使う人は限られてくるのではないでしょうか。

そして主人公が成熟した大人でもなく、12歳の子供だという点が非常に活かされていると感じました。私自身が子供と接する仕事をしていたから分かるのですが、子供って善悪の判断が曖昧なんですよね。悪い事だと自覚して行う大人よりも幾分か可愛げのあるもので、自分の本能に正直な部分があると思います。

そういった面で観れば大人以上にスーパーパワーを悪用してしまうのではないかと。それこそスーパーマンほど清い心がなければ、本能の赴くままに行動してしまうでしょう。劇中に登場するブランドンも同じです。

ブランドンが一家の元で暮らすようになった経緯は完全にスーパーマンなんですよね。別の星からやってきて、たまたま見つけた夫婦に育てられると。日本人だったら『ドラゴンボール』の方が分かりやすいかも。惑星ベジータがフリーザに滅ぼされる前に地球に送られたカカロット(孫悟空)のような感じです。

悟空も記憶をなくすまでは拾った孫悟飯に対して反抗的態度を取っており、こちらの方がブランドンに近いですね。恐らくブランドンも悟空と同じく、本能的に惑星を支配するようインプットされているのでしょう。

 

「スーパーパワーを悪用する」という点でコメディタッチでも描けるのですが、本作は完全にホラーでした。最近だと『イット』を観たばかりだったから、ペニーワイズとブランドンが重なったよね。人の力が及ばない存在と対峙するので、ホラー映画との相性が良いんです。何ならブランドンを高校生くらいにして、もう少しコア向けに作ってくれても面白かったかもしれない。

同タイプの作品だと先ほども書いた『ザ・ボーイズ』があります。テレビドラマですけどね。『ザ・ボーイズ』では世界を守っているポジションにいるにも関わらず、腐敗しているヒーローを描いていました。主て向けはアベンジャーズだけども、裏の顔は不正ばかりといった感じで。描いているキャラクターが中年なぶん、テイストがかなり異なりますね。

ブランドンが大人になる頃には世界を守るフリをしながら、徐々に裏から支配していくダース・シディアスのような悪人になっているかもしれません。そんなややこしいことしなくても彼の力なら余裕で支配できるか。

あと、このブランドン役の子役をどこかで観たことあると思っていたら、『エンドゲーム』に出演していたのです。アントマンの子供時代として。すぐにピンとくる役どころではなかったけども、何故か印象に残っていましたw

 

ここから先は『ブライトバーン』のネタバレを含みます!

感想

若干の物足りなさ

血が大量に噴き出るようなグロテスクシーンが多々あったのですが、日本ではR指定映画ではありません。人によって変わるかと思いますが、私からするともう少しはっちゃけて欲しかったのです。せっかく無邪気な子供が最強に・・・って設定なのですから、もっとやりようはあったはず。批判も集中しそうではありますが。

そして設定もですね、ブランドンはスーパーマンや悟空と同じく別の星から来た宇宙人なんです。だから人間を下に観ている描写がされています。自分は高次元の存在なんだと。だったらなおさら、大量破壊を見せて欲しかった!母に対する情があったとしても、必要以上に犯行を隠す必要がどこにあったのでしょうか。

最後には自分を愛してくれていた母親すら殺しています。しかし、その前にも両親を見下すような台詞があったのだから、躊躇なくやれば良かったのに。少なくとも普通に家出をして世界中を奪えばいいのに。結局は母や父にはしっかりとした、人間味のある情があったのでしょうか。

変なところで人間味を出してくるから、最後までやり切れていない感が否めません。怒りだのなんだのの爆発力を物理的に見せて欲しかった。

 

それと、ヒーローである人間を敢えてホラーで描くのは面白かったのですが、どちらかと言えばビックリ系ホラーなんですよね。大きい音や突然現れるブランドンを使って驚かせるという。ビクビクはしても、精神的に来るホラーじゃないんですよ。

私の中でホラーとは大きい音でビビらせるよりも、心理的に恐怖に陥らせる方が怖いし完成度も高いと考えています。その点で観ると『ブライトバーン』は音でビビらせる系ホラーです。

ヒーロー映画としては革新的でも、ホラー映画として観てしまうと完成度はそこまで高くないのかなと。ブランドンが”ヒーロー”になる際に使うマスクも、不気味さはそこまでないですし。

双子を廊下に並んで立たせるだけで「ホラー」を成立させたキューブリックの演出力の凄さが分かります。窓の外にブランドンが浮かんでいても、イマイチ怖くないんですよね。怖くもないのに何度も使われる演出だから、逆にシュールになってきちゃって。

ヒーロー映画ではなく、ホラー映画としての期待を持っている人にとっては満足できない出来になっているかも。

ラストについて

最後にサプライズで登場したマイケル・ルーカーが語っていたように、人類側から観るとこの映画はバットエンドで終わります。制御を失ったブランドンはブライトバーン(町の名前)中を荒らしていました。それだけ彼の力は凄い物だったのです。

しかし、彼の目論見通り世界を奪ったかと言われれば、そうではありません。ただショッピングモールのような建物を破壊しているだけで、国レベルを相手にしている訳ではない。人間側も都市伝説として観ているようで、七不思議のひとつレベルでしかテレビで紹介されていませんでした。

果たしてこれが終わりの始まりになるのか、もしくはアベンジャーズのようなヒーローがこの世界にもいてブランドンを止めるのか。続編があれば別ヒーローとの闘いも観たいところですね~。

 

ただブランドンが地球を襲う理由については詳しく明かされませんでした。作り手側が意図してブランドンの生まれた”向こう側”を明かしていないため、そこを追求するのはナンセンスなのですが。

今作は何だか良く分からないものと対峙するホラー映画ですので、ヴィランの背景に関しては必要がなかったのでしょう。私としては悟空と同じように、地球を植民地にするために送り込まれた系なんだと勝手に考えていますw

もし、続編があるとしたらブランドンの過去にもピックアップして欲しいです。何なら普通にヒーロー映画やって、ユニバース化してもいいんですよ。それだと本当にスーパーマンになってしまいますがw

まとめ

思えば今活躍しているヒーローって虐げられていた人が多くないですか?キャプテン・アメリカとかスパイダーマンとか。

それなのにスーパーパワーを手にして悪の道に走らないのは凄いです。私なら確実に復讐に向かいますけどね。

ブランドンもいじめられていたから、周りの環境が違えば悪にはならなかったのでしょうか?

以上!!!

 

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