
少し前にザック・スナイダー監督が手掛けた『アーミー・オブ・ザ・デッド』というゾンビ映画がありました。
どうやらNetflixはこの映画をシリーズ化したいようで、今作はその第2作目です!
とはいっても、前日譚なんでストーリーはほぼ繋がっていないんですけどね。ゾンビもあまり出ないし。
もはやアーミー(軍隊)ですらないような気もしますが、シーブ(泥棒)ではあるんで、そこんとこよろしく。
ということで、今月のNetflix映画の中では特に大作といえる、
アーミー・オブ・シーブズ
の感想を書いていきます!
この記事は『アーミー・オブ・シーブズ』のネタバレを含んでいます。
まだご覧になっていない方はご注意を。
アーミー・オブ・シーブズ
あらすじ
謎の女性にスカウトされた銀行員のディーターは、欧州を股にかけて伝説の金庫3つを狙う強盗一味に加担する。「アーミー・オブ・ザ・デッド」の前日譚(たん)。
キャスト
主演は『アーミーオブザデッド』にも出演していたマティアス・シュヴァイクホファー。
今作では前作以上になよなよして初心な天才金庫破りを演じていました。自信なさげだけど、少しずつ成功を重ねて『アーミーオブザデッド』の同キャラに近づいていきます。
ヒロインには『ゲーム・オブ・スローンズ』や『ワイルド・スピード』シリーズのナタリー・エマニュエルがキャスティング!
その他のキャストはルビー・O・フィー、スチュアート・マーティン、ガズ・カーンなどなど。
評価
僭越ながら『アーミー・オブ・シーブズ』の満足度を★10段階であらわすと・・・
★5
「中途半端な感じが否めないな」
主人公・ディーターの成長物語であり、クライムサスペンスでもあり、当然ヒロインとのロマンスもある。
これだけ詰めこんでいるのに、物足りなさを感じる映画でした!
やっぱりチームの結束が薄いし、ディーター以外で感情移入できるキャラがいないのよね。
金庫破りに関しても素人である僕らにとっちゃ、なにが凄いのかわからないし。
前作だとゾンビがあったけれども、今回は敵も人間。
追ってくる刑事もミスばかりだし、なんだかなぁと思っていたら映画が終わっていました(笑)
以下、映画の一部ネタバレを含んでいます!
まだご覧になっていない方はご注意を!
感想(ネタバレ)
前作を考えると緊張感に欠ける
一応前作のストーリーをおさらいしておくと、
ラスベガスでゾンビパニックが発生!!ゾンビの繁殖はなんとかラスベガス内だけに食い止めたものの、マジで核攻撃する5秒前。
そんな危機的状況の中、ラスベガスにある金庫を狙っていた真田広之が最強の兵士たちを招集。ゾンビで溢れかえるラスベガス内に入り、とあるホテルにある最強の金庫を破り、中の現金を持ち帰る必要があった!
果たして、彼らはゾンビを避けながら、金庫を破ることができるのか…!?
というお話。
どーも、スルメです。今回はザック・スナイダー監督の最新作、『アーミー・オブ・ザ・デッド』の感想です!ゾンビ大好きな僕としては、かなり楽しみにしていた映画でありまして。しかも、Netflixでザック・スナイダー監督作品が観られ[…]
『アーミー・オブ・シーブズ』の主人公になるのは、チームに金庫破りとして雇われたディーターです。
しかも、前作よりも前のストーリーであり、ヨーロッパが舞台のため、ゾンビは出ません!!
「え、ゾンビ不在で大丈夫?」
ゾンビがいなければ強盗の難易度は下がるでしょうけど、映画として、続編として面白いの?
前作は警備員や敵組織の代わりにゾンビがいるクライムサスペンスだったので、そこそこの緊張感がありました。噛まれたらゾンビ化するし、当然ゾンビたちは逮捕して刑務所送りなんて生ぬるいことはしません。
そんな今までにない緊張感を体験した後で、普通のクライムサスペンスをやってもインパクトに欠けるよね。
「ゾンビだせや!」ってことじゃなく、「ゾンビに代わる緊張感を生み出す設定を使ったほうがいいのでは?」と思うわけです。
あと、緊張感に欠ける点としては、主人公のディーターの運命が確定している点。
前日譚の宿命でもあるのですが、ディーターは死なないし、ミッションも成功します!これで死んだりしたらパラドックスが起きるから、当然といえば当然なんだけど。
劇中ではディーター警察に追われるってシーンもあるのですが、これまた結末を知っているから、ほぼ楽しめない。一応、映画の演出として盛り上げようとはしてくれてるんだけど、「前作観た人は結果知ってるしなぁ」と思いながら鑑賞することになります(笑)
ということで、二つの意味であまり緊張感を感じられないクライムサスペンスとなりました。
仲間たちの魅力のなさ
面白いクライムサスペンスって大抵仲間たちがめっちゃ魅力的。
『オーシャンズ』シリーズは当然ながら、『ミニミニ大作戦』『レザボア・ドッグス』『黄金の七人』などなど、名作クライムサスペンスには愉快な仲間が必須です。
さて、今作の仲間を見てみますと……
主人公・ヒロイン・ハッカー・ヒロインの元カレ・運転手
の5人。
一番キャラの濃そうだった運転手はほぼ空気で、ケイジに憧れている元カレくんはかなりのクズ。ヒロインは強いけど役職は不明で、ハッカーは……ただのハッカーでした(笑)
これなら主人公とヒロインの二人だけの「ボニーとクライド」でよかったんじゃないの?と思わずにはいられない。銀行強盗するとなれば、それなりに人は必要だから仕方がないけども、人数合わせでいるような感じだし…。
ヒロインが「少人数の方が成功率が高いのよ」と言っていましたが、「大人数描けるだけの尺がないのよ」の間違いではないかと。
「キャラが多ければいいってワケじゃないけどね」
一番かわいそうなのはハッカーです。
登場時から「天才ハッカー」という映画あるあるな役目を背負わされ、ヒロインの前座のような立ち位置になった挙句、最後にはよく分からない理由で退場。
個人的にはクライムサスペンスでありがちな、めんどくさいところは全部ハッカー任せって展開嫌いなんですよね。
・監視カメラ?⇒ハッカーがなんとかする
・警報?⇒ハッカーがなんとかする
・セキュリティ?⇒ハッカーがなんとかする
今作は一応最後の金庫だけはディーターの仕事でしたが、困ったところは大体ハッカーだったからな。それなのに、弟と何があったのか詳しい理由が解説されないまま逮捕。シンプルにかわいそう。
最後に
残念なところばかり書きすぎましたが、細かいところに目を向けなければ楽しめる映画だったかなと。
良くも悪くも、Netflixらしいポップコーンムービーといえるんじゃないかな。
あと、ディーターのキャラが強すぎるんで、好みは分かれるかもしれません。そして、『アーミーオブザデッド』を観ておいた方がいいでしょう。
シリーズとしてはアニメが決まっているようなので、さらに面白展開を期待したいところ。
以上!!!
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