どーも、スルメ(@movie_surume)です。
『惡の華』の原作を読んだのは高校二年くらいの時。
”クソムシが”が大きく躍った表紙はずっと目に入っていたんですが、当時仲良かった友達から「お前絶対好きだから読め」と謎に推されて読み始めました。
で、結果は大当たりw そいつの言うように当時の俺、たぶん今の俺でもドンピシャでして、最後はボードレールの「悪の華」まで買いましたからねw
まぁ詩集のほうは全然ダメで1㎜も意味が分からんかったんだけど、漫画は好きでした。アニメは絵が受け付けなくて観てません。
それから5年以上過ぎた去年にやっと全巻読破しまして、今日に至っています。
原作は”中学生編”と”高校生編”に分かれていまして、映画では主に中学生編をやるのかな?
申し訳ないけどキャスト全員中学生には見えないぜ…。もうちょっと幼いイメージがあったんだけどな。
ただ玉城ティナ演じる中村さんの罵詈雑言を聴きたい気持ちは…ある。
※この記事は『惡の華』のネタバレを含みます!
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映画について
山に囲まれた地方都市。中学2年生の春日高男は、ボードレールの詩集「惡の華」を心の拠り所に、息苦しい日常をやり過ごしていた。ある日、憧れのクラスメイト・佐伯奈々子の体操着を衝動的に盗んだところをクラスの問題児・仲村佐和に目撃されてしまった彼は、秘密にする代わりに仲村からある“契約”を持ちかけられる。この日から仲村に支配されるようになった春日は、彼女の変態的な要求に翻弄されるうちに絶望を知り、自らのアイデンティティを崩壊させていく。やがて「惡の華」への憧れにも似た魅力を仲村に感じ始めた頃、2人は夏祭りの夜に大事件を起こしてしまう。
監督
メガホンを取ったのは『片腕マシンガール』の井口昇監督。
『片腕マシンガール』は腕がてんぷらになっちゃう笑っていいのかダメなのか分からないシーンがありまして、B級感出てて意外と好きなんですよねぇ。今度続編やるんでしたっけ。
他の監督作は観たことないのですが、一覧を観ていると私好みのB級の香りが漂ってくる…。失礼かな。
キャスト
主演は伊藤健太郎さん、玉城ティナさんの二人。
玉城さんは今度『地獄少女』の閻魔あいをやるんですよね。漫画原作多いっすね。
やっぱり二人とも中学生には見えないな。動いているところ見たらまた違うのかもしれんけど。
共演は秋田汐梨さん、鶴見慎吾さん、飯豊まりえさんなどなど。
評価
僭越ながら『惡の華』の満足度を★10段階で表すと・・・
★5
玉城ティナのクソムシ祭りありがとうございました!
とっても詰め込まれた映画だなという印象がまず第一。
俺は中学生編をやって高校生編はやらないもんだと思っていたのよ。後にちょっと触れられる感じで終わるのかと。
それが高校生編もしっかりあって、しかも原作にも忠実だったから驚きっす。そりゃ端折られている部分もあったけどさ。
でも、映画を観ている間はとっても長く感じたんですよね。先の展開を知っているからか分からんけど。実写版『キングダム』を観た時もそんな感じしたしなぁ。
ただ、やっぱり役者陣が少し残念かなと。際どいシーンもあるから10代前半の子にやらせられないのは理解できても、彼らを中学生として見ることはできん。
玉城ティナのクソムシ連呼と罵詈雑言は結構原作に忠実で、彼女がこんなに汚い言葉を吐く映画は金輪際出てこないんじゃないですか?
ここから先は『惡の華』のネタバレを含みます!!
まだご覧になっていない方はご注意を!!
感想(ネタバレ)
原作との印象の違い
俺が抱いている原作のイメージでお話していきますと、キャラクターはやっぱりイメージ通りとはいかなかった。
それはキャストが大人で構成されているからか、そもそも原作のあのキャラクターを実写としてスクリーンに再現することが難しいのか。たぶん両方だよね。
年齢のことでいくと春日くん、中村さんの役の二人は二十歳越え、佐伯さんを演じた秋田汐梨は16歳なんで、劇中でも歳の差を感じちゃうのが正直なところ。
特に玉城ティナと伊藤健太郎が二人乗りするシーンはマジで大学生かそれ以上にしか見えなかった。
春日くんはせめて制服のネクタイをしっかり上げないで、緩さを出していればマシだったかも。叫び声も完全に大人なんだよなぁ。
中村さんは…どうすればよかったのか思いつかんw 少なくとも玉城ティナ以外のキャストは思い浮かばないし、演技の気迫は伝わってくるよね。
ちょっと前に実際に中学生の役者を使った映画を観たんですけど、幼さとか全然違うんだよな。
中学生って高校生と大して変わらないでしょ?と思いきや、意外に幼い。改めてそれに気づかされましたよ。
高校生編では幾分か違和感は消えたんですがね。あ、常盤さんはめっちゃ良かったっス。映画の中では一番俺のイメージに合っていたかも。演じた役者さんはこれまた20代なんですが。
それを踏まえましても『惡の華』実写化はかなり難しいってことです。
マンガなら読めても実写で観るとキツいって言うことはザラにあるじゃないですか?どんな漫画でも映画でもそうだと思うんですけど。
『惡の華』は中学生どころか、大人でも吐かないようなセリフのオンパレードだから余計にね。
中村さんはある程度覚悟していたから、そんなに違和感は感じなかったんですが、春日くんはちょっと…。
やっぱ叫び方ですかねw もはや俺の知っている春日くんとは遠いところにいるような感じがしまして。体操着のニオイを嗅ぐシーンは絶妙の童貞具合で最高でしたがw
そんな春日くんにイラっとしてしまうのは役者・監督の思惑通りなのでしょう。
話の進め方
映画一本にするには長い原作だと思っていたのですが、いい具合にまとめて詰め込んできましたねぇ。
最初に気になる部分を挙げると、後半で常盤さんの彼氏が出てこないところと、中村さんの居場所を佐伯さんが簡単に教えてしまうとこですかね。
常盤さんの彼氏は原作だとしっかりストーリーがあって、春日くんと付き合う前にもひと悶着ありました。
映画でも「常盤さん彼氏いるらしいぜ」って友達のセリフがあったから、そこも実写化されるのかと思いきや…。それなら常盤さん彼氏いる設定入れなくて良かったんじゃね?
中村さんの住所に関しては原作にあった里帰りの場面で知ったような。佐伯さんあんなに簡単に教えちゃうだなぁ…。里帰りするのも端折っちゃうんですか。
これは原作知っていたから気になる部分であって、いきなり映画から入ったら大して気にならなかったかもね。
あー、あと中盤の山場である教室を中村さんとめちゃくちゃにするシーン。あそこの音楽はポップなものじゃなくて、もう少し静かめの歌詞のない音楽の方が良かったな。
『惡の華』も佐伯さんに捨てられ、中村さんに踏みつけられ、春日くんに燃やされと、ボードレールがかわいそうw
続きまして、秀逸だと思うのは映画の構成を「中学生編」「高校生編」に別けず、イッキに展開させたとこですかね。
これによって自殺未遂のシーンを残したまま中村さんとの再会に持って行けたり、佐伯さんが引っ越した理由を後々説明したりとストーリーを知っている人でも楽しめる演出が良いよね。
連載する漫画とは違いますから、一つの映画をそのまま二分割してしまうのが正解とも言えませんし、これは良い手法を取ったんじゃないかなと。
ただシーンをバラさせて時系列も変えたことで、中村さんが死なないっていうネタバレが結構早い段階でわかっちゃいましたがw
「なぜ引っ越すことになったのか?」「中村さん今何してるの?」みたいな些細な疑問を残しながら、映画を進めていくのは好きですね。
ラストの解釈
エンドロールの後に中村さんの背後に座っていた女学生が惡の華を観るっていう、一見謎めいたシーンがありましたね。
あそこは各々の解釈に任せるといった意味なのか、特に説明がないまま終わってしまいましたが、私の受け取り方としては原作のラストに似せたんじゃないかと。
確か単行本の最後に「この物語は終わりから始まる」といったような文章がありまして、漫画のラストは春日くんと中村さんの出会いを映画いて終わるんですね。
この「終わりから始まる」が重要でして、映画のラストも春日くんと中村さんの”惡の華”が終わったところで、すぐ近くの誰かの”惡の華”が始まったんじゃないかと。
とりあえず俺なりの考えを書いたけど、答えはないラストだと思うんで、どう受け取っても間違いじゃないと思う。
もう一回原作を読み直さなきゃ。
まとめ
主演の二人は俺とあまり変わらないくらいの年齢やからなぁ…。さすがに中学生はキツかったんじゃない?
そう言えば執筆中に『約束のネバーランド』が実写化されるというニュースが知りまして。
さすがに浜辺美波でも12歳は無理なんで16歳に引き上げるみたいですね。
そうなると原作の雰囲気が的確に映像化できるのか不安になりますし、できればもっと若いキャストを使ってほしいって言うのが原作ファンとしての正直な気持ち。
それを考えれば中学生で通した『惡の華』は善戦しているんじゃないかと。監督も原作ファンみたいですし、そこの設定を変えてはならないと言う気持ちもあったんじゃないかな。
以上!!!
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