どーも、スルメです。
『クワイエット・プレイス』とは!
音にめっちゃ敏感なモンスターに支配された地球を舞台に、とある一家が「音を立てずに」モンスターと戦っていくホラー映画である!
ホラー映画なのに、セリフがほとんどなく、BGMもかなり控えめ。登場人物は手話で会話するし、無音の時間が長いしで、かなり癖のあるホラー映画なんですよね。
でも、評価はめっちゃ高い!!
続編である『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』も圧倒的な高評価をたたき出しておりまして、2作連続批評家から認められるシリーズとなりました。
ただですね。僕はやっぱり邦題の「破られた沈黙」の部分が気になるよ。
たしかに「こそこそ行動するだけじゃダメだぜ!」って映画なんだろうけど、沈黙破っちゃったらモンスターに殺されちゃうじゃん。
タイトルの時点で沈黙破るのはやめようぜ。そもそも沈黙を「破る」じゃなくて、「破られた」だからね。完全受け身なサブタイトルっていう。
えー、邦題への文句はこの辺にしまして、感想の方に参りたいと思います!
クワイエット・プレイス 破られた沈黙
あらすじ
エミリー・ブラント主演で、音に反応して人類を襲う“何か”によって文明社会が荒廃した世界を舞台に、過酷なサバイバルを繰り広げる一家の姿を描き、全米でスマッシュヒットを記録したサスペンスホラー「クワイエット・プレイス」の続編。生まれたばかりの赤ん坊と耳の不自由な娘のリーガン、息子のマーカスを連れ、燃えてしまった家に代わる新たな避難場所を探して旅に出たエヴリン。一同は、新たな謎と脅威にあふれた外の世界で、いつ泣き出すかわからない赤ん坊を抱えてさまようが……。主人公エヴリンをブラントが演じ、リーガン役のミリセント・シモンズ、マーカス役のノア・ジュプも続投。新キャストとしてキリアン・マーフィ、ジャイモン・フンスーが加わった。監督・脚本も前作同様、ブラントの夫で前作で夫婦共演もしたジョン・クラシンスキーが再び手がけた。
キャスト
主演を務めのは、前作に引き続き、エミリー・ブラント。
最近では『メリー・ポピンズ リターンズ』でジュリー・アンドリュースが演じた、メリー・ポピンズ役を引き継ぐなど、活躍の場が増えてきた気がします。今年公開される『ジャングル・クルーズ』でもヒロインを演じるんで、今作の演技と比較するのも楽しいかも。
ちなみに、夫のジョン・クラシンスキーは今作の監督を務めています。リー・アボット役も演じていたんで、作中でも夫婦役ってことになります。
今作から参加するキャストとしては、『インセプション』のキリアン・マーフィーや、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジャイモン・フンスーが出演。
評価
8
★★★★★★★★☆☆
2021年のホラー映画の代表格になる良作!!
巧みなクロスカッティングと、伏線回収を含んだ脚本!
ハリウッド映画おなじみの「熱い展開」を絡ませて、各キャラクターに見せ場をちゃんと作って……
それでいて、しっかりホラー!!
無音の中に流れているゾワゾワする感覚とか、「このあと絶対びっくりするやん!」って緊張感は前作以上!
モンスターの不気味さ、異物感もハンパなく怖いし、嫌いなキャラクターはひとりもいない。
まさに、現代のホラー映画を代表するにふさわしい作品だったんじゃないですかね。とりあえず2021年のホラー映画の中では暫定1位ですわ。
この先も引き続き映画の一部ネタバレが含まれます。
感想(ネタバレ)
クロスカッティングの巧みさ
クロスカッティングっていうのは、同時期に起きてる2つ以上の出来事を、同時に描写すること。
今作でいうと、
- 包帯を探しに行ったエヴリン(母)
- 船を探すエメット&リーガン
- お留守番中のマーカス
の3つの場面が同時進行するところですかね。
このクロスカッティングがうますぎて、怖い映画のはずなのに、滑らかに進んでいくんですよ。しかも、それぞれの場所でモンスターが登場するんで、怖さも持続するっていうね。
あまり休まることができず、ホラー苦手(好きではある)な僕にとってはストレスになるんだけど、それでもなお面白い。
そしてキャラクターの比較にも繋がっているんです。
ビビリまくっているマーカスと、みんなを助けるため父親のように進んでいくリーガン。このふたりは対角にあるようで、どちらの成長も描いているっていうのが今作のキモでして、クロスカッティングによってふたりの成長が同時進行で描かれます。
冒険するのを嫌がったマーカスも、しっかり留守番中に赤ちゃんを守っていたりと、子供二人にちゃんとスポットが当たっているのが良いよね。
終盤の方ではそれぞれの状況がリンクするようになっているんで、さらにハラハラできる。大人たちじゃなくて、ふたりの勇気が状況を動かしていくのもマジでポイント高い。
レベルの高いホラー演出
そんな感じでストーリーとしても超面白いといえるんですが、ホラー映画としてのレベルもめちゃくちゃ高い。
今作は日常がモンスターに侵食されていく「一日目」の様子が描かれるんですが、このシーンでは日常を映して、隕石で異変を描き、突如モンスターを登場させる、恐ろしいほど滑らかな導入。このシーンだけでもグイッと引きこまれるんですよね。
前作の場合は序盤がずっと無音で、おもちゃの音が鳴るまで「サイレントか!」ってくらい音が出ませんでした。この導入部もかなり心に残るシーンでしたが、僕的には今作の方が好みかな。
聴覚障害のあるリーガンの視点になると無音になり、リーの視点になると一気に音を出すような、タイトルらしく「音」を使った演出も光っていました。
ホラー映画って「びっくりする前の無音の時間」があるじゃないですか?
今作のホラー演出ってそれの進化系なんですよ。
僕的にはホラー映画の怖いところって「無音の時間」にあると思うんですね。びっくりしている瞬間じゃなくて、「ほら、来るぞ来るぞ…」と構えている時間の方が怖い!
ほかのホラー映画だと、登場人物たちにとっては「無音の時間」に特に意味はなく、観客を驚かせるための演出なわけです。今作でも観客をビビらせる目的がある無音なんだけど、登場人物も観客と同じように緊張しながら「無音の時間」を過ごしているんですね。
だって音を立ててしまったら、即死だから。観客以上に「無音の時間」が怖いはず。
要するに、今作ってこれまで演出以上の意味を持たなかった、「無音の時間」にそれ以上の意味を持たせた、画期的な作品なんですよ。
しかもこれって映画館で観てこそ意味がある!僕は残念ながら前作を映画館で観ることができなくて、アマプラで観たんですが、やっぱ怖さも面白さも半減しちゃったと思う。
映画館に漂うあの張り詰めた空気は、登場人物たちが「無音の時間」に感じている空気とリンクするんだな。
続編と終わり方
前作と同様、なんといさぎよい幕引き!
モンスターを倒して、平和な日常に戻るとかありがちなシーンはなく、興奮の絶頂で物語が終わるっていう完璧すぎるラストでした!
この辺は『モンスター・ハンター』でも同じような終わり方だったんだけど、全然レベルが違う。「お次の敵はどいつだ~」な終わり方じゃなく、きちんとケリをつけたうえで、後日談とかなしでスパッと終わらせる。
あー、本当に素晴らしいホラー映画を観たわ。
海外でも評判がいいので、この調子だと続編がありそうですが……
僕的には『クワイエット・プレイス ザ・デイ』とかにして、映画序盤のようにモンスターが地球に来てすぐを観たいなと。
前日譚的にほかの家族を描いて、4作目でアボット家と合流させるとか、今はやりのクロスオーバー感のある続編になっても面白そうですね。
というのも、子役たちが成長してそうですし、今作の直後にするにはそろそろ限界が……。
まぁ、なんにせよ続編があったら絶対に観に行くんで、楽しみにしております。
最後に
ブログではたびたび書いておりますが、僕自身そこまでホラーが得意なわけじゃないんですよ。
かといって嫌いでもなく、どちらかといえばホラー映画好き。でも得意ではないっていう矛盾した人間でして。
まぁ「ホラー?全然怖くねーよ」という人よりは、毎回シンプルなホラー演出でもビビる僕みたいな人の方が、ホラーを楽しめているのかもしれませんが。
本当はびっくりするホラーよりも、ゾクゾクするホラーの方が好きなんだけどね。
以上!!!
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