どーも、スルメ(@movie_surume)です。
今回は『82年生まれ、キム・ジヨン』の感想を書いていこうと思います。
この作品は韓国でベストセラーになった小説を映画化したものです。
原作は読んでませんが、他の方の意見を観るに、ラストに改変が加えられているとかなんとか。
原作知らない僕はあまり気にしなくていいですかね。
日本の映画を観ていると「原作とちげーじゃねーか」って思うんだけど、海外作品は原作読んでること稀だからな~
これがいいのか、悪いのか。ブロガーとしては後者かな。
※この記事はネタバレを含みます!
82年生まれ、キム・ジヨン
あらすじ
結婚を機に仕事を辞め、育児と家事に追われるジヨンは、母として妻として生活を続ける中で、時に閉じ込められているような感覚におそわれるようになる。単に疲れているだけと自分に言い聞かせてきたジヨンだったが、ある日から、まるで他人が乗り移ったような言動をするようになってしまう。そして、ジヨンにはその時の記憶はすっぽりと抜け落ちていた。そんな心が壊れてしまった妻を前に、夫のデヒョンは真実を告げられずに精神科医に相談に行くが、医師からは本人が来ないことには何も改善することはできないと言われてしまう。
キャスト
チョン・ユミ/キム・ジヨン
『新感染 ファイナル・エクスプレス』で妊娠中の女性客(ソンギョン)を演じていました。マ・ドンソクの妻役だったかな。
キム・ジヨンは82年生まれですが、彼女は83年生まれ。
コン・ユ/チョン・デヒョン
同じく『新感染 ファイナル・エクスプレス』で、主演を務めた俳優。
その他の出演作には『男と女』『サスペクト 哀しき容疑者』などなど。
評価
僭越ながら『82年生まれ、キム・ジヨン』の満足度を★10段階で表すと・・・・・・
6
★★★★★★☆☆☆☆
生きにくさを感じる社会で呼吸が詰まりそうになる
映画は女性として生きることの辛さが描かれているのですが、女性だけに向けた映画でもないし、「男はこれ観て勉強しろ!」って映画でもありません。
社会の偏見に対しての息苦しさとかは、男女関わらず共感できると思うんですよ。
たとえば、僕らの世代はどこにいっても「ゆとり」だと言われます。
ゆとりを生み出した奴らにゆとりとバカにされる、この理不尽。普通に納得はいきませんよね。「ワケわからねーなぁ」とか思いながら、とりあえずニヤニヤしておくのですがw
僕個人のことでいえば、幼い頃から吃音に悩まされていて、どこでも好奇の目で見られます。言葉が絶対に必要な現代社会では自分の名前すらまともに言えない僕には、なかなか辛いものがありまして。
まぁ、被害者ぶるわけではありませんが、誰に対してもそんな経験があるんじゃないかと。生まれつきの性別や立場、コンプレックスで理不尽な目に遭うことって。
僕は男ですから、映画に登場するような女性の生きにくさについて100%理解はしていないのでしょう。けれども、キム・ジヨンに対して共感し、同じように息苦しさを感じていることは確かです。
そんなわけで、僕はこの映画をすべての人に観て欲しい!
韓国映画だけれども、日本社会にも通じる部分があるはずだから。
ただ、アメリカとかヨーロッパはどうなんでしょうね。同じように女性が生きにくさを感じているかもしれませんが、姑との関係とか想像つかないんだよな~
こんな映画が出てくると「男は観とけよ」「女なら絶対共感できる」などなど、感想やおすすめポイントが性別の話になってしまうのはちょっと悲しいような。
結局そこにも偏見がありますしね。そういう偏見に苦しむ人を描いた作品のはずなのに。
僕も自覚はなくても「男なら」「女なら」な思考になっていそうなんで、少しずつ直していかなければ。新しい時代に対応できない人間になりそうだよね。
ストーリーに関しては極端に男性を敵視せず、説教臭くもなりません。
正直ね。僕はこの映画のストーリーを聞いた時、ちょっと不安だったんですよ。「男の俺が楽しめるのか?」って。
しかし、この映画で描かれているのは男尊女卑なストーリーではなく、社会にはびこる偏見です。
キム・ジヨンに対して「女の子は…」と語るのが父ですが、姑にも「男のデヒョンに育休取らせるなんて…」といわれてしまう始末。男女が持つ偏見の中で板挟みになるキム・ジヨンは、逃げ場もなく精神を病んでしまうというストーリーです。
だから女性差別だけでなく、「男なら」「女なら」の固執したイメージと戦っていく映画なんですよね。
劇中に登場する旦那は察しが良いのか、悪いのか。最後には「育休取るよ!」と言ってくれるのですが、もっと妻の負担に気がつけよ!って話でありまして。
まぁそれは客観的にふたりを観ている観客だから気がつくことで、当の本人には難しい話なのでしょう。夫婦でも家族でも人間関係って難しいね。
ただ、ラストはなんか良い感じに締めてますが、夫は育休取らなそうですよね。精神科に通って解決への糸口は見つけていたようですが…。うーん、なんか腑に落ちない。
結局は姑の思ったようになった気がします。この姑も若い頃にキム・ジヨンと同じような扱いをされていたのかもしれません。その経験があって、キム・ジヨンに対しても強めに当たってしまうと。
少し前に『Mother』って夏帆と妻夫木くんが出ていた映画がありまして。あの映画でも旦那の家族との気まずさがムンムンでていて、少しだけ思い出してしまった。家にいても居心地の悪い感じは、できれば味わいたくはない。
僕の実家も2世帯で母と祖母が一緒に暮らしていますが、僕から見ると仲良さそうにしていますね。これって珍しいのかどうなのか…。
とにかく子供の頃から気まずい雰囲気の家になってなくてよかったです。
まとめ
最後に「男なら」関連で僕が感じる些細な不満を述べさせていただきます。
僕は昔から大の虫嫌いでして。Gも蜘蛛も蛾も、ひとりでは退治できません。
そんな僕を見て大抵の人が言うんですよ。
「男のくせに情けない」って。
いやいやいや、男とか女とか虫嫌いに関係なくね?無理なもんは無理なんだよ!
基本的に僕は臆病で、男らしさとは無縁の人間ですからね。「男らしさ」という言葉自体、前時代的な感じもしますが。
これ以上の理不尽を感じている人はごまんといると思うんですが、とりあえずネタ的な締めの文として書かせていただきました。
以上!!!
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