
今回は映画『五等分の花嫁』の感想になります。
ラブコメ好きな僕としては、原作は大いに楽しんだのですが、アニメは若干不安なスタートを切りましたよね。
僕は声優さんの演技だけで楽しめるタイプなんだけど、「作画うんぬんで作品が有名になるのはな~」と思ったり。
2期からは制作がバイブリーになって、気になるのはストーリーのスピードくらいに。
「修学旅行編とか早すぎね?」って感じだったのですが、最終作となる劇場版は136分の大作になっているようで!
楽しみすぎて久しぶりにマガジンを買って、ちょっと早めに読み切りも楽しみ、さらにアニゾーンのラジオも聞いて劇場に向かいました!
映画 五等分の花嫁
あらすじ
勉強嫌いで落第寸前の五つ子姉妹を、家庭教師として高校卒業まで導くべく奮闘する貧乏高校生の上杉風太郎。これまでの努力が実を結んで無事3年生に進級できた五つ子は、修学旅行も終え、卒業へ向けてそれぞれの将来について考え始める。一緒に過ごしてきた中で風太郎への恋心を自覚する五つ子と、徐々にひかれていく風太郎だったが……。
映画.comより抜粋
作品解説
春場ねぎ(以下、敬称略)の漫画『五等分の花嫁』を原作とした、アニメ映画。テレビアニメが2シーズン作られていて、本作はそのラストを飾る作品となります。
原作はすでに完結しているので、修学旅行編以降のストーリーが1本の映画にまとめられています。
この作品のポイントとしては、主人公・風太郎とヒロインの“誰か”が結婚することが既に判明している点。ただ、ヒロインが5つ子なので、誰が風太郎の結婚相手なのか観客(読者)にはわからないまま話が進んでいきます。
風太郎とヒロインの関係だけでなく、5つ子の姉妹関係も大切な作品です。落としどころには賛否あるかもしれませんが、原作を読む限りでは、僕は完全に賛の方。だから楽しみにしてたのです!
本作は声優陣も豪華なことで知られていて、主人公の風太郎は『SAO』でおなじみの松岡禎丞。
五つ子の面々は花澤香菜(一花)、竹達彩奈(ニ乃)、伊藤美来(三玖)、佐倉綾音(四葉)、水瀬いのり(いつき)が担当。
ちなみに僕は原作を読んでいたときから四葉派。次は一花か二乃かなぁ。
映画『五等分の花嫁』評価
ストーリー | ★★★★☆ 4/5 |
キャスト | ★★★★★ 5/5 |
演出 | ★★★☆☆ 3/5 |
アニメーション | ★★★★☆ 4/5 |
総合評価 ★ 7/10
「あー、終わってしまったぁ~」
原作も読んでいたんで、結末は知っていたんですけどね。
でも、漫画を読み終わったときに感じた喪失感がよみがえってきて、ちょっとセンチメンタルな気持ちになったり。
いや、まだゲームがあるっ!それをプレイするまで、僕の中では終わらないんだ!
ちょっと興奮気味ではありますが……
TVアニメ版ほどのショートカット感は感じず、ラスト4巻?をしっかり映画にしてくれた作品でした!
『五等分の花嫁』のファンとしては満足ですが、映画好きとしてはちょっと気になる部分もあったので、そこについて触れながら感想を書いていきます!
※以下は『五等分の花嫁』のネタバレを含みます
映画『五等分の花嫁』感想
最後の祭り
本作は漫画における文化祭編がメインとなっていて、5人のヒロインそれぞれの視点から文化祭の日々が綴られていきます。
なので、1本の映画の中で同じ日を5回繰り返すんですよ。映画の文法的には、ちょっと問題がありそうな構成になっていて、映画好きを自称する僕としては「ん??」と思わずにはいられませんでした。
鑑賞前は文化祭の日々をクロスカッティングで描くと思っていたんです。五つ子ごとに視点が変化していって、さまざまな事件を解決していく的な。
そうすれば時間は戻らないし、ストーリーは複雑になりそうだけど、観客の集中力と理解力を信頼してくれれば可能だった気がします。
しかし、映画本編では原作の構成を踏襲し、五つ子それぞれのストーリーが5回分繰り返されました。
テレビアニメや漫画なら違和感がなさそうですが、映画となるとちょっと気になってしまって。まとまりを感じないんですよね。
でも、「なんだかな~」と思っていたのも二乃のストーリーくらいまででした。
途中で気がついたんですよ。この映画は『五等分の花嫁』だと。
そこで改めて「五等分の花嫁」のタイトルの意味を考えまして。この作品は「五つ子の花嫁」でも、「五人の花嫁」でもない。
それぞれのヒロインに、平等に見せ場を作るから、“五等分”なんだと。
「映画を観てやっとタイトルの意味を考えたね」
原作を読んでしまっているから、誰が“勝ちヒロイン”か知っています。
けれども、原作を知らない人にとっては、この段階でも誰が花嫁だかわからない。
文化祭もキッチリ五等分し、それぞれの魅力を平等に描くからこそ、この作品は成り立っているんだと、しみじみ感じました。
映画好き脳が先行しすぎて、危うくこんな重大な事実に気がつかないまま終わるところでした。まだまだですね。
唯一本当に気になったのは、四葉の回想シーンの演出。
アニメの回想シーンにありがちな、画面の周囲を白くぼかす画が使われているのですが、この回想シーンは10分近くあるんですよ。
その間ずっとスクリーンの周囲がモヤモヤしてるから、かなり違和感がありました。数秒程度の回想シーンなら問題ありませんが、ここまで長いならその演出はいらないと思う。
それとは別に、あと一つ。
僕は結局、最後まで風太郎をあまり好きになれませんでした(笑)
一応“先生”ということは頭にあっても、ラストの五つ子に対する上から評価はちょっと無理……かなぁ。
ラジオでも語られていましたが、これはアニメで、松岡さんが演じているからこそ許されている部分がある。現実にこんな人がいたら、近寄らないですよね。
『ごときす』だったら、風太郎にならなきゃいけないから……。うまく付き合っていけるだろうか。
いつまでも内緒の恋じゃいられないっ!
続いて、僕の大好きなヒロインについてのお話。
映画を観てきた方、漫画を読んだ方はご存知でしょうが……
四葉、本当におめでとーーー!!
僕は原作第1巻を読んだときから!四葉が勝利すると思っていたんだよ!だって一番かわいいからね!
僕はうさ耳リボンが好きなのかな。特に意識してなかったけど、安中さんとか、更科るかとか、うさ耳リボンのキャラが推しのことが多い。
連載していた当時はいろんな意見を目にしたし、完結していなかったんで五つ子の関係を心配していたりもしたんですが、ここまで来ると喜びしか感じない!
あとは、佐倉綾音さんが五つ子全員の声を担当したCMがあったのですが、TVアニメ版ではあやねる=四葉に。これだけでもちょっと「あれ?怪しい感じ?」と思っていたりしました。
改めて観ると「よん!!」の時のしっくり感がハンパじゃない。
こんなに元気でかわいいのに、若干腹黒い面もあるのが、さらに好きになったポイントだったりする。賛否はあるのでしょうが、映画でもしっかり四葉のブラック部分を描いてくれてありがとう!
ただ、性格面では二乃の方が好きです。諦めが悪く、まっすぐで、実は面倒見がいい。
そして、映画で一番かわいかった……というか衝撃的な可愛さだったのは、美玖の「返事は後で聞くね」のシーンかな。
もちろん、五月も一花も好きなんで、正直誰が花嫁になっても満足できる作品だったと思う。
そういった意味でも“五等分”のタイトルを回収した、秀逸な作品だったと思います。
最後に
映画は終わりましたが、ラジオがあと2週残っていて、6月最初にはゲームも発売します。
まだまだ『五等分の花嫁』は終わらない!と思う!
ゲームは原作にもなかった「卒業旅行編」になるようで、映画のラストと高校生時代とをつなげる役割もありそう。
プレイしたらたぶんレビュー記事書くので、その時はよろしくお願いします!
以上。
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