『There Is No Game: Wrong Dimension』評価と感想 ゲームじゃないゲームをどう遊ぶ?

ニンテンドースイッチでも配信が開始された、『There Is No Game: Wrong Dimension』をクリアしたので感想を書いていきます。

予告編程度のネタバレは含んでいますが、ゲームの核心に迫るようなワードは書いていないため、プレイを考えているかたもぜひ!

There Is No Gameの評価

ストーリー★★☆☆☆ 3/5
アイデア★★★★★ 5/5
パズルの難易度★★★★☆ 4/5
音楽★★★☆☆ 5/5
快適性★☆☆☆☆ 1/5

総合評価

★★★★★★☆☆☆☆ 6/10

 

タイトルの意味は、「ここにゲームはない」

ゲームで遊びたいのに、中にいるプログラムがゲームを遊ばせてくれません。けれども、やっぱりゲームだから無理やり遊んでしまおう!という作品でした。

少なからず不満はありますが、「これぞインディーゲー!」と言いたくなるような、完全アイデア勝負のゲームでしたね。

インディーワールドで紹介されていて、一番気になったゲームだったので購入しましたが、なにか新しいアイデアを見せてくれるゲームを求めている人にはオススメ。

けれども、初インディーゲーにはオススメしません。もう少し快適にしてほしい部分もあるし、若干粗もあるので。

There Is No Game 感想

クリア時間

プレイする前は「3~4時間程度かな」と思っていましたが、パズルにてこずりまして結果クリアまでに7~8時間ほど使ってしまいました。

ヒントは見られますが、私は意地でも自力でクリアしたいタイプなのです。

パズルゲームに慣れている人ならば、もう少し短い時間でクリアできるはず。

ここはアイデアの宝庫である

今作はとにかくアイデアのゲーム。大手スタジオだったら企画の時点で却下されそうなほど画期的で、下手したらめちゃくちゃ失敗しそうなくらい前衛的なゲームでした。

例えば、以下の画像のような場面。

このシーンは『ゼルダの伝説』に登場するマスターソード的な剣を手に入れようとしているのですが、今作におけるマスターソード(仮)は中央の台座に刺さっているアレではありません。

マスターソード(仮)を手に入れるためには、左上の体力ゲージについている剣をゲームの主人公に与える必要があります。

つまり、ゲームのUIすらアイテムのひとつになっていて、プレイヤーのひらめきが重要になるのです。

そして、プレイヤーができることはアイテムを「ドラッグアンドドロップ」することのみ。

画像に映っている明らかに主人公なキャラクターを動かすことは出来ませんし、戦うこともできません。間接的にしかゲームに干渉できず、限られた行動だけでパズルを解いていきます。

これが思いのほか難しい。アイデアを楽しみつつも、自分のひらめきのなさ、頭の固さに嫌気がさすほど手ごたえのある難易度でした!

頭を悩ませていた謎の答えが、意外と超簡単だったりして、本当に頭の良さよりもひらめき重視のパズルゲームです。

映画やゲームのパロディネタ満載!

上記のゼルダの時点で、「ここまでやってウドンテンニに怒られないの?」と思ってしまうほどのパロディ!謎解きしたときの音なんて、「エバラノゴマダレ」ほぼそのままです(笑)

その他にも結構コアなネタがあって、例えば同じインディゲーの『スーパーホット』とか、映画だったら『2001年宇宙の旅』とか、細かすぎるネタが満載!

そして、プレイヤーと一緒に冒険?してくれるプログラムの言葉がまた面白い。

ゲームのお約束やお決まりのネタをいじりにいじって、キッチリ物語も語ってくれる、かなりの強者でして。

制作者はめちゃくちゃゲーム好きなんだろうなぁという感じが伝わってきて、100%すべてのネタがわかったわけではないけれど、かなり楽しめるシナリオだったと思います。

残念だった部分

ゲーム機に向いてない

PCでプレイするべきでした。正直スティック操作は向いてません。

せめてカーソル移動の速度がもう少し早ければ…

マウスがあればかなり快適なので、PC版を買うことをおすすめします。

会話が飛ばせない

声が吹きこまれていても、私は基本的に会話は飛ばす派の人です。

だって字幕で1秒にも満たない時間で読めちゃうのに、ひたすら長いセリフ聞いているのもめんどくさいじゃないですか。しかも全編英語だし。

これが3Dゲームだった全然許せるし、私も飛ばさず観るのですが、ただ一枚絵に声が当てられてるだけだからなぁ。

 

最後に

不満点もそこそこありましたが、「アイデアに触れる」ゲームとしてはかなり楽しめましたね。

パズルゲームだと『BABA is YOU』以来に頭使ったかも。普段からパズルゲーやらない人ですが。

ただ、この手のゲームは一度クリアすると二度目はなかなかやらないですからね~。

そう考えると1800円は少し高かったような…。

 

以上。


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