どーも、スルメ(@movie_surume)です。
今回は待望の『ゴースト・オブ・ツシマ』のゲームレビューになります。
とりあえず10時間ちょっとプレイしまして、大体感覚を掴んできたところです。一応最後までプレイが終わったら、また追記していく予定であります。
映画好きの方なら分かるかと思うのですが、完全に黒澤映画リスペクトのゲームなんですよね。
僕も一番好きな日本映画は『七人の侍』って人間なので、プレイする前から興奮して夜も眠れねぇ!
この手のゲームはやっぱり日本に開発してほしかったんですけども。同じクオリティになるかは疑問でしかありませんがw
前置きはこの辺にしまして、さっそくレビューに参ります!
ゴーストオブツシマってどんなゲーム?
鎌倉時代の日本・対馬を舞台にしたサムライゲームです!
ストーリー的には主人公の境井仁がモンゴル帝国に復讐するって話で、実際の対馬を舞台としながらも、フィクションが多く盛り込まれています。
本来であればモンゴル帝国は日本侵略を失敗していますが。本作では対馬をほぼ占領しているって状況です。
「サムライをテーマにしたオープンワールドって初めてじゃね?」ってことで、恐らく世界で話題になっているゲームかと思います。
サッカーパンチ
このゲーム、実は日本のスタジオが作ったのではなく、アメリカの「サッカーパンチ」プロダクションが作っているんですね。PS4初期に発売した、『インファマス セカンドサン』を開発したスタジオです。
一応はSIEの子会社に当たるんで、日本企業とも関連があるのですが、日本を舞台したゲームをここまで作り込んでくれるって凄いよね。いや、これは日本が作らなきゃダメでしょって感じでw
『ゴーストオブツシマ』って日本のスタジオが『レッドデッドリデンプション』作っちゃうみたいなゲームじゃないですか?
日本人がジョン・ウェインとか、サム・ペキンパーの映画から影響を受けて、西部劇ゲームを本気で作る……みたいな。
まぁ、そんなこと言ったら「『アサシンクリード オリジンズ』はエジプトが作らなきゃ!」ってなるから、作った国は正直あまり関係ないとは思うけどねw
でも黒澤明とか、侍の影響ってスゲェんだなと改めて感じました。
ゴーストオブツシマの声優
中井和哉/境井仁
これまでに演じたキャラクターは『ワンピース』のゾロ、『銀魂』の土方十四郎などなど。
僕の中では勝手に剣士キャラなイメージが確立しています。まぁ、やっぱりゾロなんだよね。
ゲームの中では実際の侍らしく、寡黙で落ち着いた演技が続きます。
大塚明夫/志村
『メタルギアソリッド』のスネークでおなじみのベテラン声優。渋い声といったらこの人。
志村は境井仁の師匠、叔父であり、ゲーム冒頭で蒙古に囚われてしまいます。ゲームは志村を奪還することが大きな道筋となっていますね。
志村の名前は、『七人の侍』や『生きる』など黒澤映画の常連俳優・志村喬からかと。海外でも知名度の高い、俳優ですから。ミフネではなく、志村を師匠キャラに選ぶところに時代劇愛を感じます。
磯部勉/コトゥン・ハーン
有名なのはワンピース映画のダグラス・バレットや、ハリソン・フォードの吹き替えなどなど。
コトゥン・ハーンは対馬に攻め込んできたモンゴル軍のトップ。フビライのいとこらしい。実在の人物ではないと思います。
水野ゆふ/ゆな
主に海外映画の吹き替え声優として活躍しています。
ゆなは瀕死の状態だった境井仁を助け、彼に暗殺術を教える盗賊。弟がモンゴル軍に囚われており、境井仁とともに奪還を試みます。
千葉繁/石川
言わずと知れた『北斗の拳』のナレーションの人。僕はアニメよりもパチンコのイメージの方が強いです。
石川は弓を極めた達人として知られるも、弟子に裏切られてしまったキャラクター。境井が最初に協力を仰ぐ人物でもあります。
ゴーストオブツシマのレビュー
まずサラッと感想を書くと、
寄り道しすぎてストーリーが進まねぇ!!
これほど寄り道したり、探索したのは『ブレスオブザワイルド』以来かもしれないぞ!
バトルも飽きがこなくて、ひたすら華麗な立ち回りをしているだけで楽しい。頭の中で思い描いた殺陣が完璧に実行できる。
そして10時間プレイしても、探索できた範囲は5分の1ちょっと。特別広いわけでもないマップでも、馬にも乗らず、だらだらと探索したくなっちゃうよね。
完全に時間泥棒なゲームでして、僕の日常生活も徐々に境井仁に侵食されている最中でございます。
では、細かい部分のレビューをどうぞ!
現在10時間ちょっとプレイしているんで、わかる範囲でのレビューになります。
また、ストーリーのネタバレについてもほとんど触れてませんが、敏感な方はご注意ください。
日本の描写
先ほども書きましたが、ゲームをプレイしていると、頻繁に日本文化や時代劇映画に対するリスペクトを感じることができます。
ゲームに関わらず、海外の作品だと間違った日本が描かれることってよくあるんですよね。有名な『ラスト・サムライ』でも、なぜかニンジャが出てきてボウガン的なもので攻撃してきたりしますし。
三船敏郎が出演したアメリカのテレビドラマ『SHOGUN』では、言葉遣いが日本人にとっては違和感たっぷりのもので「世界のミフネ」も眉をひそめたとか。
そんなわけで日本だけに関わらず、海外の作る作品って少なからず他国のイメージとかが盛り込まれたりする。『インディージョーンズ』のインドの描写とかひどいものがあったしね。
『ゴーストオブツシマ』の話に戻しますと、本作も実際の侍とは異なる部分も多くあると思うんですよ。例えば1本の刀で何百、何千と敵を斬っていったりとか。実際は「1本の刀じゃ5人と切れん!」と菊千代が言っていたように、魔法のような耐久性はありませんでした。
けれども、あくまでも本作はフィクションであり、「時代劇」なんだと。ひとりの剣豪が何人もの敵をバッサバッサと斬っていく、気持ちよさとか爽快感を盛り込んだ作品なわけです。
細かいところを探せば粗が見つかることもあるでしょう。でも、中世の対馬にどっぷり浸かることを邪魔する要素はほとんどない。
少なくとも歴史の授業を受けただけの日本人が「あれ?この描写、あきらかに違和感あるぞ」と思う部分は少ないかと。
個人的に感動したのが、神社に参る場面がいくつかあるのですが、しっかりと「二礼二拍手一礼」をやっていること。引きになって見にくいけども、作法は守っているんですね。
剣劇が楽しすぎる
本作はとにかくバトルが楽しい!
敵を発見したら一騎打ちを申し込んで、にらみ合いからの一閃!残りの敵も弾きと武具を駆使して、映画にしてもそん色ないような戦いを作り出す……。
もはや戦うというよりも、いかに美しい殺陣を演じられるかが目標になっていきます。
本作には気力ゲージがありまして、気力を使うと体力を回復できたり、強い技を使えたりする。どちらを使うかの選択が重要になってくるので、一瞬一瞬を大事に使わなければなりません。
僕はいっさい剣道とかできませんけど、この一瞬で次の手を考えること自体が「侍の戦いの再現」なのではと、考察したりもしておりますw
「いくら切り付けても死なねーよー」みたいな状況は今のところないですし、刀がいかに殺傷能力に優れているのかが、実感できる戦いばかりです。
敵を倒した時も一瞬ヨロヨロってなって倒れ込む、時代劇再現。切られ役に対してもキッチリ研究しているんだなぁと。実際に剣で切られたら、どうリアクション取るのかは分かりませんけどね。
フィールドの美しさ
わずか5分の1を探索しただけでも、対馬の美しさが理解できる。
紅葉の茂った地域や、田園地帯。日本的な砂浜から、絵を意識しすぎている気もする黄金寺。どこを切り取っても絵になる美しさですよ。
特にですね、常に空中に”何か”が舞っているんですね。例えばイチョウや紅葉の葉とか、赤トンボや雨・風などなど。プレイヤーが動かなくても、常に動きがある画面になるわけです。
「動き」っていうのは映画でも非常に重要な要素でして。意図して静を貫く作品もあることにはあるけども、やっぱり映画は「動き」の中で生まれてきたエンターテインメントですから。列車が動くだけの映像でも十分に楽しいわけです。
風を可視化したこともそうですが、『ゴーストオブツシマ』も「動き」に関しては、かなりこだわって作ったのではないかと思います。
風にたなびく草花が若干アニメーション的な表現を残してるのも、ポイントかと。そのあたりは『ブレスオブザワイルド』を思い起こさせますね。
黒澤映画へのリスペクト
これは映画ブログですので、映画に関することも少しは書かねばと思いまして。
『ゴーストオブツシマ』は制作者が明言してる通り、黒澤明監督の映画から多くの影響を受けています。
代表的なところで言うと、搭載されている「黒澤モード」です。使うと画面がモノクロになり、『七人の侍』や『用心棒』の時代の映画を彷彿とさせる画面へと変化します。
正直な話、「黒澤モード」ではプレイしにくい。敵の攻撃を色で判別する場面もあるし、遠くの敵が背景と同化してしまうこともしばしば。
でもカッコいいから別に良くね?って話なんですよw いつでもカラーに戻せるし。ちなみに海外版でも「KUROSAWA MODE」です。説明にも「日本の伝説の映画監督・黒澤明からインスパイアされた」的なことが書かれています。
また、本作は非常に雨が多いのですが、雨は黒澤映画でも印象的なシーンがチラホラ。『羅生門』では冒頭から土砂降りの雨を降らせ、『七人の侍』ではラストの決戦を雨にしました。風に関しても『用心棒』らしい絵が観られます。
他にもイベントシーンで使われているワイプ。場面転換の時に使われる演出ですが、これも黒澤映画で多用されています。今は『スターウォーズ』の方が有名なのかな。
僕が気が付いていない部分でまだまだオマージュシーンとかがあるのかも。見つけたら追記していきます。
ゴーストオブツシマの残念な部分
尾行
海外のゲームだとしょっちゅう出てくるミッションです。『アサシンクリード』とかでもあったかな。
「敵に見つからず後を追え!」みたいな感じだけど、待つ時間長いし、テンポ悪いし普通にめんどくさい。
これは『ゴーストオブツシマ』に関わらず、別に居らなくね?って話なんですが。好きな方いたらごめんなさい。
追跡
「ここに足跡が……。こっちへ向かったな」
そんなことが多すぎるよ!『ウィッチャー3』でもあったけど、正直あまり面白くない。
足跡を追うのは『メタルギアソリッド4』でスゲェめんどくさかった思い出が。確かナオミの足跡を追跡するんだけど、「野生のウサギか!」ってくらい惑わせてくる。
『ゴーストオブツシマ』では今のところ複雑な追跡はありませんが、ここまで多くなくても……。
境井仁とたかが瓜二つ
ゲームの途中で腕利きの鍛冶屋のたかってキャラクターが登場するのですが、なぜか主人公とそっくりな顔してる。
別にゲームに支障はないし、不快でもないけど、なんか気になるんだよなぁ。
そもそも仁も含めて、あまり日本人感ないですよね。
あと子供時代の境井仁が『20世紀少年』のVR内のサダキヨみたいで怖い。
まとめ ゴーストオブツシマが神ゲーだった
今年はPS4最後の年になりますし、神ゲーばかりで困りますね。
『ラストオブアス2』も僕は結構楽しめたし、『ゴーストオブツシマ』は神ゲーだった。後半には『アベンジャーズ』と『サイバーパンク』が発売して、最後の華を飾る……。
この流れで残り2つも神ゲーだったら、PS4は歴史に残るね。
『ゴーストオブツシマ』の発売日は『ペーパーマリオ』と被っていまして、任天堂信者を自称する僕からすると本当に苦渋の決断だったのですが……。今のところは『ゴーストオブツシマ』からプレイして正解だったかなと。
ぜひPS4持っている方はプレイしてみてください!
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