
ようやくスタートした『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』。
『ゲーム・オブ・スローンズ』最終章のガッカリさから、シリーズの熱が冷めていたのも事実です。
ただ、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』は1話目からやってくれましたよ。
一気に『ゲースロ』熱を取り戻し、何ならシーズン4くらいの一番盛り上がっていた気持ちを思い出させてくれました。
そんなわけで、以下、若干ネタバレありの感想です。
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ハウス・オブ・ザ・ドラゴン 1話
感想
帰ってきた、ゲースロ
『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』はハイファンタジーにジャンル分けされる作品です。
ハイファンタジーとは、世界を1から作り上げる作品のこと。対して、現実の社会に魔法や冒険が入りこむ作品は“ローファンタジー”と呼称されます。
ハイファンタジーの場合、舞台となる“世界”が最も重要です。
ドラマでは目で見える世界だけでなく、その世界の歴史や文化、習慣までも盛り込まなくてはなりません。『ゲースロ』はちょっと(場合によってはだいぶ)不親切ですが、数百年前からある世界を構築し、セットや衣装、言語にいたるまで、完全に“世界”を表現した作品だと僕は思っています。
これ以上のクオリティーで映像化されたハイファンタジーものは、『指輪物語』くらいしか思い当たりません。
ストーリーうんぬんよりも“世界”に興味が湧いた『ゲースロ』。この世界に足を踏み入れるだけで、もうワクワクします。
当然『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』も、世界観の構築はさすがの出来。冒頭のあらすじ紹介の部分すら、ちょっと邪魔に感じてしまうほど、1話目にして没入感のある作品でした。
まず、冒頭でレイニラがドラゴンに乗り、街を舐めるように飛ぶシーン。目の前にいるドラゴンに注目しつつも、配下に広がる街の作りこみにワクワクが止まりません。
美しさは側だけで、「どうせ近くで見たら汚れているんだろ?」と思っていたら、案の定、治安は悪いようで(デイモンに粛清されますが)。街が登場するワンシーンだけでも、こんなに興奮するのだから、僕って得な人間です。
その後も塔の中で松明が延々と連なっているとか、妙に厨二ぽいデイモンの鎧とか、ドラゴンを使った葬式とか……エトセトラ。ドラマでこの作りこみってヤバいだろ。世界で配信される前提とはいえ、この金の使い方はアメリカ以外じゃ真似できないね。
とにかく、ストーリーは二の次でよくて、「ゲースロってこんな楽しみ方してたドラマだったわ~」と改めて実感しました。
振り返れば、最終章はストーリーばかり気にして、“世界”に目を向けられていなかった気がします。もう1度観れば、印象が変わるような、変わらないような。
ストーリー
先ほどは「二の次でいい」と書いたストーリーについて。
まず、このドラマは『ゲースロ』よりも172年前の物語で、デナーリスの先祖にあたる人々を描いています。
大きい争いであり、『ゲースロ』のキャラクターも登場させられる、「ロバートの反乱」あたりを僕は観たかったけれど……。
正直、『ゲースロ』を観た後だと、この時代って比較的平和ではあるんですよね。反乱がおきるのも100年以上先だし、「ウィンターイズカミング」も同様です。
ただ、女性たちにとっては、あながち平和ともいえない世界なようで。
第1話では、男性に物のように扱われる女性たちが描かれていました。
特にヴィセーリスの妻・エイマは、何度も流産や死産を繰り返していたキャラクターです。ヴィセーリスは「男がようやく生まれる」と、性別を勝手に決めつけ、エイマの体調などは目もくれず。エイマが難産に陥ると、子どものため強制的に帝王切開(当然麻酔、止血なし)され、死に至ります。
自分の生死が夫にゆだねられるなんて、フィクションだとしても憤りを覚える展開です。とはいえ、この残酷な面も含め、このドラマの魅力なのかもしれませんが。
ヴィセーリスの娘・レイニラの人生も同じです。評議会(男ばっか)の会議内で人生が決められ、後継者に祀り上げられる、悲劇的ともいえるストーリーが語られました。
前半の楽しそうにドラゴンに乗る姿から一転、あの表情ですからね。レイニラとアリセントのシスターフッドものでありたかったけど、『ゲースロ』世界でそれはあり得なかったか……。
そうそう、アリセントも自らの父によって、望まない関係を持たされそうになっていたし、現実にはこんなことないと思いたい。
キャラクターたち
第1話の時点では、登場人物の大半はクソかクズですね~
妻見殺しおじさんのヴィセーリス、嫉妬の権化・デイモン、王のために娘を派遣する最低の父親・オットー……
まともなキャラがいねぇ。
オットーは最後まで好きになれなそうですが、デイモンは良いキャラしているし、マット・スミスのねちっこい演技がハマりそうです。『ラストナイト・イン・ソーホー』でも、いろんな意味で名演技を見せた人ですから、デイモンには期待せずにいられない。
ただ、ティリオンやアリア、ハウンド、ブライエニーなど、圧倒的大好きキャラ候補がいない!
ティリオンとか、中盤以降はもはや癒しでしたからね。
そんなキャラが生まれて欲しいところだけど、残り9話じゃ難しそう
以上。
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